経営管理とは
経営管理ビザで行える活動及び取得のための絶対条件は以下の通りになります。
活動内容 | 本邦において貿易その他の事業の経営を行い又は当該事業の管理に従事する活動(この表の法律・会計業務の項の下欄に掲げる資格を有しなければ法律上行うことができないこととされている事業の経営又は管理に従事する活動を除く。) |
絶対条件 | 申請人が次のいずれにも該当していること。 一 申請に係る事業を営むための事業所が本邦に存在すること。ただし、当該事業が開始されていない場合にあっては、当該事業を営むための事業所として使用する施設が本邦に確保されていること。 二 申請に係る事業の規模が次のいずれかに該当していること。 イ その経営又は管理に従事する者以外に本邦に居住する二人以上の常勤の職員(法別表第一の上欄の在留資格をもって在留する者を除く。)が従事して営まれるものであること。 ロ 資本金の額又は出資の総額が五百万円以上であること。 ハ イ又はロに準ずる規模であると認められるものであること。 三 申請人が事業の管理に従事しようとする場合は、事業の経営又は管理について三年以上の経験(大学院において経営又は管理に係る科目を専攻した期間を含む。)を有し、かつ、日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること。 |
在留期間 | 5年、3年、1年、6月、4月又は3月 |
つまり、日本国内で会社を経営するか店長等の管理する立場などで仕事をし報酬を得ることが経営管理ビザの活動内容となります。
また、絶対条件として「事業所を設置」することと「事業所の規模を満たす」は必要です。
この経営管理ビザと言われるのは非常に手続きが面倒で、申請前に準備することが多いです。例えば、飲食店を経営したいとなると、店舗の賃貸借契約、内装工事、食材の仕入れ、営業許可等をしてようやくビザ申請を行えるということになります。つまり、準備をするだけして「不許可」になる可能性も非常に高いということになります。また、準備段階で間違った準備をすると二度手間になるので準備段階から専門家にサポートしてもらうことが効率的に進めることができます。
事業所の確保
1.経済活動が単一の経営主体のもとにおいて一定の場所すなわち一区画を占めて行われていること。
2.財貨及びサービスの生産又は提供が、人及び設備を有して、継続的に行われていること。
この二点を満たす必要があります。
自宅兼事務所では厳しい目で審査されることになりますし、バーチャルオフィスなども基本的に不許可になります。地域によっては「スタートアップビザ」なるものがあり要件が緩和されることもありますが通常の「経営管理」であればしっかりとした事務所を設置するということは絶対条件になります。
事業所が賃貸物件であることが一般的ですが、当該物件に係る賃貸借契約においてその使用目的が事業用、店舗、事務所等事業目的であることを明らかにする必要があり、賃貸借契約者についても当該法人等の名義とし、当該法人等による使用であることを明確にすることが必要です。ベンチャー企業などとして起こされた企業については、設立当初は規模が小さいことや少人数での事業運営が可能であること等から、住居としても使用している施設を事業所と定めて事業を行う場合等がありますが、住居として賃借している物件の一部を使用して事業が運営されるような場合には、住居目的以外での使用を貸主が認めていること(事業所として借主と当該法人の間で転貸借されることにつき、貸主が同意していること。)、借主も当該法人が事業所として使用することを認めていること、当該法人が事業を行う設備等を備えた事業目的占有の部屋を有していること、当該物件に係る公共料金等の共用費用の支払に関する取決めが明確になっていること及び看板類似の社会的標識を掲げていることを必要とします。
住居を事業所とする場合の許可・不許可事例
事例1
Aは、本邦において個人経営の飲食店を営むとして在留資格変更許可申請を行ったが、事務所とされる物件に係る賃貸借契約における使用目的が「住居」とされていたものの、貸主との間で「会社の事務所」として使用することを認めるとする特約を交わしており、事業所が確保されていると認められたもの。
事例2
Bは、本邦において水産物の輸出入及び加工販売業を営むとして在留資格認定証明書交付申請を行ったところ、本店が役員自宅である一方、支社として商工会所有の物件を賃借していたことから、事業所が確保されていると認められたもの。
事例3
Cは、本邦において株式会社を設立し、販売事業を営むとして在留資格認定証明書交付申請を行ったが、会社事務所と住居部分の入り口は別となっており、事務所入り口には、会社名を表す標識が設置されていた。また、事務所にはパソコン、電話、事務机、コピー機等の事務機器が設置されるなど事業が営まれていることが確認され、事業所が確保されていると認められたもの。
事例4
Dは、本邦において有限会社を設立し、当該法人の事業経営に従事するとして在留期間更新許可申請を行ったが、事業所がDの居宅と思われたことから調査したところ、郵便受け、玄関には事業所の所在を明らかにする標識等はなく、室内においても、事業運営に必要な設備・備品等は設置されておらず、従業員の給与簿・出勤簿も存在せず、室内には日常生活品が有るのみで事業所が確保されているとは認められなかったもの。
事例5
Eは、本邦において有限会社を設立し、総販売代理店を営むとして在留資格認定証明書交付申請を行ったが、提出された資料から事業所が住居であると思われ、調査したところ、2階建てアパートで郵便受け、玄関には社名を表す標識等はなかったもの。また、居宅内も事務機器等は設置されておらず、家具等の一般日常生活を営む備品のみであったことから、事業所が確保されているとは認められなかったもの。
事例6
Fは、本邦において有限会社を設立し、設計会社を営むとして在留資格変更許可申請を行ったが、提出された資料から事業所が法人名義でも経営者の名義でもなく従業員名義であり同従業員の住居として使用されていたこと、当該施設の光熱費の支払いも同従業員名義であったこと及び当該物件を住居目的以外での使用することの貸主の同意が確認できなかったことから、事業所が確保されているとは認められなかったもの。
事業所の規模を満たすこと
冒頭の表にも書いていますが、事業所の規模を満たす必要があり、下のいずれかに該当しなければなりません。
- 二人以上の常勤の職員を雇用していること
- 資本金又は出資の総額が500万円以上であること
- 1又は2に準ずる規模であること
1の常勤の職員については、日本人・特別永住者・永住者・定住者・日本人の配偶者等・永住者の配偶者等でなければならず、いわゆる技人国などの就労ビザでは認められません。また、勤務形態も週5日以上、週労働時間30時間以上の一定の勤務計画の元での所定時間の勤務が必要です。
2の資本金については説明不要かと思いますが、資本金の出所については厳しいチェックがあります。いわゆる「見せ金」ではダメですので、どのようにして資金調達をしたのかという部分が非常に重要です。
3の準ずる規模についてですが、例えば常勤の職員を1名雇用して、資本金が250万円であれば準ずる規模だと言えるでしょう。そのようなイメージを持てば分かりやすいかと思います。
事業の経営又は管理について三年以上の経験
こちらの条件については外国人が「管理」のほうに該当する場合です。つまり、経営する場合はこの条件は不要となります。この3年には大学院において経営又は管理に係る科目を専攻した期間(日本・外国含む)を含みますので実際の経験が不要な場合もあります。
何度も言いますが、この経験が必要な場合は「管理」のみになります。
2名以上の外国人が共同で経営する場合
共同で事業を起こした複数の外国人が、他に従業員がいない状況で、それぞれ役員に就任するような場合は、それぞれの外国人が従事しようとする具体的な活動の内容から、その在留資格該当性及び上陸基準適合性を審査することとなります。
「経営・管理」の在留資格に該当するためには、当該外国人が事業の経営又は管理に実質的に参画していること、すなわち、事業の運営に関する重要事項の決定、事業の執行又は監査の業務に従事する活動を行っていることが必要であり、役員に就任しているということだけでは、「経営・管理」の在留資格に該当するものとはいえません。
また、複数の外国人が事業の経営又は管理に従事するという場合、それぞれの外国人の活動が「経営・管理」の在留資格に該当するといえるためには、当該事業の規模、業務量、売上等の状況を勘案し、事業の経営又は管理を複数の外国人が行う合理的な理由があるものと認められる必要があります。実際には、従事することとなる具体的な業務の内容、役員として支払われることとされる報酬額等を勘案し、これらの外国人の行う活動が経営又は管理に当たるものであるか否かを判断することとなります。
- 事業の規模や業務量の状況を勘案して、それぞれの外国人が事業の経営又は管理を行うことについて合理的な理由が認められること
- 事業の経営又は管理に係る業務について、それぞれの外国人ごとに従事することとなる業務の内容が明確になっていること
- それぞれの外国人が経営又は管理に係る業務の対価として報酬額の支払いを受けることとなっていること等の条件が満たされていること
2名以上の外国人が共同で経営する場合の許可事例
事例1
外国人A及びBがそれぞれ500万円出資して、本邦において輸入雑貨業を営む資本金1,000万円のX社を設立したところ、Aは、通関手続をはじめ輸出入業務等海外取引の専門家であり、Bは、輸入した物品の品質・在庫管理及び経理の専門家である。Aは、海外取引業務の面から、Bは、輸入品の管理及び経理面から、それぞれにX社の業務状況判断し、経営方針については、共同経営者として合議で決定することとしている。A及びBの報酬は、事業収益からそれぞれの出資額に応じた割合で支払われることとなっている。
事例2
外国人C及びDがそれぞれ600万円及び800万円を出資して、本邦において運送サービスを営む資本金1,400万円のY社を設立したところ、運送サービスを実施する担当地域を設定した上で、C及びDがそれぞれの地域を担当し、それぞれが自らの担当する地域について、事業の運営を行っている。Y社全体としての経営方針は、C及びDが合議で決定することとし、C及びDの報酬は、事業収益からそれぞれの出資額に応じた割合で支払われることとなっている。
事業の継続性
特に経営管理ビザの更新時に気を付けなければなりませんが、更新許可を得るためには今後の事業活動が確実に行われることが見込まれることが必要です。しかしながら、実際の場面においては、当該事業の経営・管理という在留活動を継続して行うことができるかという観点から、赤字決算等が今後の事業活動の継続性に疑問を生ぜしめる場合があり得る反面、通常の企業活動の中でも、諸般の事情により赤字決算となっていても、在留活動の継続性に支障はない場合も想定されます。よって、事業の継続性については、単年度の決算状況を重視するのではなく、貸借状況等も含めて総合的に判断することが必要であることから、直近二期の決算状況により次のとおり取り扱われます。
(1)直近期又は直近期前期において売上総利益がある場合
a 直近期末において欠損金がない場合
直近期において当期純利益があり同期末において剰余金がある場合には、事業の継続性に問題はありません。また、直近期において当期純損失となったとしても、売上総利益があることを前提とし、剰余金が減少したのみで欠損金が生じないものであれば、必ずしも、当該事業を継続する上で重大な影響を及ぼすとまでは認められないことから、この場合においても事業の継続性を認めることとします。したがって、直近期末において剰余金がある場合又は剰余金も欠損金もない場合には、事業の継続性があると認めることとします。
b 直近期末において欠損金がある場合
(ア)直近期末において債務超過となっていない場合事業計画、資金調達等の状況により、将来にわたって事業の継続が見込まれる可能性を考慮し、今後1年間の事業計画書及び予想収益を示した資料の提出を求めることとし、事業が行われていることに疑義があるなどの場合を除いて、原則として事業の継続性があると認めます。ただし、当該資料の内容によっては、中小企業診断士や公認会計士等の企業評価を行う能力を有すると認められる公的資格を有する第三者が評価を行った書面(評価の根拠となる理由が記載されているものに限る。)の提出を更に求める場合もあります。
(イ)直近期末において債務超過であるが、直近期前期末では債務超過となっていない場合債務超過となった場合、一般的には企業としての信用力が低下し、事業の存続が危ぶまれる状況となっていることから、事業の継続性を認め難いものですが、債務超過が1年以上継続していない場合に限り、1年以内に具体的な改善(債務超過の状態でなくなることをいう。)の見通しがあることを前提として事業の継続性を認めることとします。具体的には、直近期末において債務超過ですが、直近期前期末では債務超過となっていない場合には、中小企業診断士や公認会計士等の企業評価を行う能力を有すると認められる公的資格を有する第三者が、改善の見通し(1年以内に債務超過の状態でなくなることの見通しを含む。)について評価を行った書面(評価の根拠となる理由が記載されているものに限る。)の提出を申請者に求めることとし、当該書面を参考として事業の継続性を判断することとします。
(ウ)直近期末及び直近期前期末ともに債務超過である場合
債務超過となって1年以上経過しても債務超過の状態でなくならなかったときは、事業の存続について厳しい財務状況が続いていること及び1年間での十分な改善がなされていないことから、原則として事業の継続性があるとは認められません。ただし、新興企業(設立5年以内の国内非上場企業をいう。以下同じ。)が独自性のある技術やサービス、新しいビジネスモデル等に基づき事業を成長させようとする場合、設立当初は赤字が続くことも想定されます。そのため、新興企業については、以下の書類の提出を申請人に求めることとし、これら提出書類の内容を踏まえた結果、債務超過となっていることについて合理的な理由があると判断される場合には、事業の継続性について柔軟に判断することとします。
○ 中小企業診断士や公認会計士等の企業評価を行う能力を有すると認められる公的資格を有する第三者が、改善の見通し(1年以内に債務超過の状態でなくなることの見通しを含む。)について評価を行った書面(評価の根拠となる理由が記載されているものに限る。)
○ 投資家やベンチャーキャピタル、銀行等からの投融資、公的支援による補助金や助成金等による資金調達に取り組んでいることを示す書類
○ 製品・サービスの開発や顧客基盤の拡大等に取り組んでいることを示す書類
(2)直近期及び直近期前期において共に売上総利益がない場合
企業の主たる業務において売上高が売上原価を下回るということは、通常の企業活動を行っているものとは認められず、仮に営業外損益、特別損益により利益を確保したとしても、それが本来の業務から生じているものではありません。単期に特別な事情から売上総利益がない場合があることも想定されるところ、二期連続して売上総利益がないということは当該企業が主たる業務を継続的に行える能力を有しているとは認められません。したがって、この場合には原則として事業の継続性があるとは認められません。
ただし、新興企業が独自性のある技術やサービス、新しいビジネスモデル等に基づき事業を成長させようとする場合、設立当初は赤字が続くことも想定されます。そのため、新興企業については、以下の書類の提出を申請人に求めることとし、これら提出書類の内容を踏まえた結果、売上総利益がない状態となっていることについて合理的な理由があると判断される場合には、事業の継続性について柔軟に判断することとします。
○ 中小企業診断士や公認会計士等の企業評価を行う能力を有すると認められる公的資格を有する第三者が、改善の見通し(1年以内に売上総利益がない状態でなくなることの見通しを含む。)について評価を行った書面(評価の根拠となる理由が記載されているものに限る。)
○ 投資家やベンチャーキャピタル、銀行等からの投融資、公的支援による補助金や助成金等による資金調達に取り組んでいることを示す書類(十分な手元流動性があるなど当面の資金調達の必要性がない場合は当該状況を示す書類)
○ 製品・サービスの開発や顧客基盤の拡大等に取り組んでいることを示す書類
※上記において主な用語の説明については以下のとおり
直近期:直近の決算が確定している期
直近期前期:直近期の一期前の期
売上総利益(損失):純売上高から売上原価を控除した金額
剰余金:法定準備金を含むすべての資本剰余金及び利益剰余金
欠損金:期末未処理損失、繰越損失
債務超過:負債(債務)が資産(財産)を上回った状態(貸借対照表上の「負債の
部」の合計が同表の「資産の部」の合計を上回った状態のこと)
経営管理ビザの必要書類
必要書類については頻繁に変更がありますので入管のホームページを参考にしてください。また、入管のホームページに記載されているのは最低限の書類ですので「許可を取るためにはホームページに記載がない書類」も必要となってきます。
FLOW
申請のステップ
お問い合わせ【全国対応】
まずは、電話・メール・LINEなどで弊所に問い合わせ頂きます。
どのような状況で日本の在留資格がほしいのかの説明をお願いしています。
過去の犯罪歴(オーバーステイ等)、不許可になった過去はあるか等、嘘はなしでお願い致します。
契約・振込
問い合わせ内容を聞かせて頂き、見積もりを提案させて頂きます。
金額など見合えば契約・振込との流れになります。
書類作成・書類収集
次に申請をするために必要な書類のご案内をさせて頂きます。
もちろん弊所で取得可能なものはこちらでしますが、依頼者にお願いする場合はございます。
また同時に書類も作成し申請に備えます。
申請
すべての書類が集まりましたら申請をします。
結果がでるまでは在留資格の内容次第になりますが大体2週間から2カ月程度かかります。
その間に入管から質問などあっても全て弊所で対応します。
在留カードの受領
無事に在留資格の許可が下りましたら在留カードの受領、認定証明書の受領など弊所で行います。
依頼者の方には一度も入管に行く必要がない為、面倒なことは何一つありません。
メールや郵送などで依頼者に送って終了です。